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なぜ投資家はROE(株主資本利益率)にこだわるのか

国内外の投資家が、企業に対して、皆口をそろえてROE(株主資本利益率)を唱えている。投資家は、なぜ、これほどまでROEにこだわるのであろうか。本レポートでは、ROEの意義と投資家の視点について考えてみたい。

ROEは、当期利益を株主(自己)資本で除したものである。当期利益は株主への利益であり、株主資本は株主の投資部分と考えられ、ROEは投資家への収益率(リターン)となる。銀行等債権者の場合は、支払利息が利益、借入金が投資額であり、利子率がリターンとなる。銀行が利子率を重要視するように、ROEは投資家にとって極めて重要な指標である。

それでは、どの程度のROEの水準が求められるのであろうか。まず、投資家が求めるリターンの最低水準というものがあり、資本コストと呼ばれる。株主は、債権者よりも高いリスクを負っている。会社が倒産した場合、債権者の方が回収の優先権があり、株主は最後になる。したがって、資本コストは金利よりも高いのは当然である。また、その企業のリスク水準によっても異なり、リスクが高いほど資本コストは高くなる。ROEは、この資本コストを上回る必要がある。そして、このROEと資本コストとの差が、株主価値の創出部分となる。

経済産業伊藤レポートでは、グローバルな機関投資家が日本企業に期待する資本コストの平均が7%超との調査結果を得ており、その結果、最低限8%のROEを目指すことを説いている。

昨今、目標ROEを公表して、中長期戦略に用いている企業も増えてきている。しかし、企業の中には、利益が出ているから、あるいは配当を出しているから投資家が満足していると考えているところもある。投資家が本当に求めているのは、利益や配当だけでなく、株主資本に対するリターンである。ここに、一部の企業と投資家の間に認識のギャップが生まれる。企業は、このことを理解することが望まれるし、投資家はそれを説明する責任がある。

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