最新動向(IR関連ニュース)

究極の長期投資

スチュワードシップコードの導入以降、日本企業と投資家の間で、徐々にではあるが対話が進んできている。この場合の投資家とは長期投資家を前提としており、企業に対して長期的な視点から提案を行うことになる。しかし、投資家によって、何年を長期とするかは様々である。3年を長期という投資家もいれば、5年というものもいる。また、いくら長期投資家といっても、その企業の株価があまりに上昇すれば、売却するであろう。
企業が、投資家との対話から、そのアドバイスを受け入れても、投資家が売却してしまうのでは意味がない。企業もその投資家との長期的な関係を前提として、その対話に耳を傾けるのである。最悪なのは、自社株買いによる売却である。投資家が企業に自社株買いを勧めて、企業がそれを実行し、自社株買いのニュースで株価が上昇したところを、投資家が売るということである。これは、まさに短期投資である。
それでは、本当の長期投資とはどういうものであろうか。究極の長期投資とは、株価がいくら上昇しても売却しない、すなわち、まったく株価を気にしない投資であると考えられる。株価が影響するのは、購入のときだけである。その後は、倒産のリスク等がない限り、売却はしない。その結果、投資家への収入は、配当収入だけとなる。10年、20年と入ってくる配当の合計が総収入であり、売却によるキャピタルゲインは期待しない。現在のところ、こうした投資家はほとんどいないように思われるが、今後出現することが期待される。
このような長期投資家における、企業との対話について考えてみたい。配当がすべての収入となるため、企業に対して増配を求めるのであろうか。いや、単純に増配を求めることはないだろう。彼らにとって重要なのは、長期の配当であって、短期の配当ではないからだ。そのためには、企業が成長して、配当の原資である利益が伸びる必要がある。そうした状況では、短期の投資家還元ではなく、企業に設備投資等を勧めることも考えられる。すなわち、目線が企業と一致する。これは、彼らがその企業の株を持ち続けるからである。企業との建設的な対話は、こうした投資家によって行われるのが理想である。

その他関連ニュースはこちら (外部リンク:有料会員登録が必要です)

メールマガジンの閲覧には、ユーザー名とパスワードが必要です。

閲覧

こちらのメールマガジンをご希望の方は、お問合わせフォームの「内容」欄に「メールマガジン希望」と記載の上、送信ください。