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資産運用会社のコーポレート・ガバナンス

スチュワードシップ・コードが導入されたことにより、資産運用会社(投資顧問会社・投資信託会社)は、企業と対話し、そのコーポレート・ガバナンスを改善することが求められる。もう一つのコード、すなわちコーポレートガバナンス・コードの導入が、それを支えることになる。しかし、企業に対話するこの資産運用会社のコーポレート・ガバナンスについて議論されることはない。以下では、この問題について考察したい。
日系の資産運用会社の多くは、銀行、証券、保険会社などの大手金融機関の子会社である。そして、ほとんどのCEOは、この親会社から派遣されている。ここで問題になるのは、CEOの在任期間である。会社によって差はあるが、3—4年の短期になることが多い。また交代のタイミングについても、資産運用会社の事情ではなく、親会社の役員交代のタイミングで行なわれる。こうした状況で、日系の資産運用会社のCEOは、長期の視点に立って、経営を行なうことができるのであろうか。
資産運用会社のポートフォリオマネージャーは、スチュワードシップ・コードの導入によって、投資先の企業に対して、長期的な成長を求めることが要求される。また、自らも短期のトレードではなく、長期投資を行なうことが期待される。しかし、その資産運用会社の経営者が、短期で交代してしまうことに大きな矛盾がある。これで、長期投資が可能であるのであろうか。また、資産運用という事業自体、極めて長期的な視点が求められる事業である。そのためにも、経営者の長期コミットメントが求められる。
もちろん、一部の日系資産運用会社では、外部からCEOを招聘し、長期に経営を任せるところも出てきている。ただ、外部から招聘するだけが解決策ではない。親会社から派遣される場合であっても、その人物がよい業績を上げている限り、交代すべきではないと考える。そして、親会社の役員交代の影響を受けることがないことが望まれる。
現在、事業会社のコーポレート・ガバナンスが大きな議論となっているが、その改善を求める資産運用会社のコーポレート・ガバナンスについても検討する必要があるのではないだろうか。

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