最新動向(IR関連ニュース)

企業の将来を誰が予想できるか。

ポートフォリオマージャーやアナリストは、将来の有望企業の発掘に日夜努力をしている。これは、極めて難しい作業である。一方、その企業自身であれば、自らの将来を予想できるのかといえば、これも難しい。それでは、誰が企業の将来を予想できるのであろうか。それは顧客である。企業の業績は、顧客がその企業の商品やサービスを評価し、購入するかにかかっているからだ。

例として小売企業のケースを考えて見よう。アナリストは、小売企業に関して、様々な産業情報、競合状況、財務情報等を調べ、将来の業績を予想しようとする。しかし、予想で一番重要なのは売上であり、この予想が難しい。企業側も同じである。彼ら自身も売上目標はあっても、それが達成されるかどうかは分からない。将来の売上を決めるのは、やはり、顧客である。

少し古い話であるが、ある小売チェーン店でのマネジメント会議で、社長がマネジメントに対して、自社のスーツを着ている者はいるか問うた。結果は、なんと誰もいなかったのである。彼らマネジメントは、日頃からどんな衣料が売れるかどうか考え抜いてきた。一方、彼らは、消費者としての顔も持つ。消費者としては、自社の商品を評価せず、他社のスーツを買っていたことになる。皮肉なことに、自分達が買いたくないものをお客に売ろうとしていたのである。これでは、売れるわけがない。彼らは、「売り手の発想」に固執して、重要な個人としての「買い手の発想」に至ることはなかったのである。これは小売企業に限ったことではなく、他の業態の企業であっても、こうした問題は潜在的に存在する。

別の例は、アナリストである。アナリストは、投資顧問会社で働くバイサイド・アナリストと、証券会社で働くセルサイド・アナリストがいる。バイサイド・アナリストは、セルサイド・アナリストにとって顧客となる。このバイサイド・アナリストが、セルサイドに転職した場合、成功することが多い。自分が顧客であったときに、どのようなサービスを求めていたか知っているため、こうしたサービスを顧客に提供するからである。

したがって、顧客のみが、その企業の商品やサービスを評価することができる。その結果、彼らこそが企業の将来を予想することができる。ポートフォリオマネージャーも企業も、こうした顧客の視線をいかに把握するかが重要である。

その他関連ニュースはこちら (外部リンク:有料会員登録が必要です)

メールマガジンの閲覧には、ユーザー名とパスワードが必要です。

閲覧

こちらのメールマガジンをご希望の方は、お問合わせフォームの「内容」欄に「メールマガジン希望」と記載の上、送信ください。